三国志の孫策は、江東の小覇王と称され、異名の由来の西楚の覇王項羽には、叔父として項伯がいましたが、劉邦に味方してばかりいました。
項伯は、前漢の三傑の張良のおかげで、九死に一生を得たのです。劉邦が項羽に勝ち天下を獲得出来たのも、項伯という項羽の身内を、味方に出来たからでしょう。
そして鴻門之会で、劉邦は最後をもたらされる寸前でしたが、項伯の助力もあり逃げ切れたのです。項伯は、張良を助けるつもりが、いつの間にか劉邦を救助していました・・・
また、劉邦の父親を、項伯が項羽から守護したことも、説明していきます。項伯の行いはまるで、劉邦の部下のようでもあるでしょう。
項伯を詳しく解説していきます！
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目次
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秦の始皇帝に最後を与え損ねた前漢の三傑の張良は項伯を殺人の追及から保護したのです
項伯は、殺人を行ってしまい逃げていたのですが、張良は項伯を助けました。
そもそも張良自身が、祖国韓への仇を報ずるために、始皇帝に鉄球を投げ付けたこともあるのです。
ですので、項伯が殺人をした際も、深い理由があって犯したと思ったのではないでしょうか。
また後に、項伯は張良のために必死に働くため、張良は人を見る目があった、とも言えるでしょう。
ちなみに、秦の始皇帝の大将軍の李信と蒙恬に、大勝利した楚の項燕は、項伯の父親でもあるのです。
西楚の覇王項羽の叔父の項伯は、若い頃に殺人で窮地に追い込まれましたが、前漢の三傑張良子房（ちょうりょうしぼう）に救われ、後に恩返ししました。
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項伯が鴻門之会で沛公こと劉邦を守った理由は前漢の三傑張良に命を救われたからです
項伯が、劉邦を項羽の軍師の范増の謀略から保護したのは、劉邦の参謀の張良への恩返しのためでした。
しかし項羽は後に、楚漢戦争で敗北し、劉邦が前漢の皇帝に就任していきます。鴻門之会での項伯の行動は、項羽の叔父という立場としては失敗だった、と述べられるでしょう。
そして西楚の覇王項羽は、将来を見据え劉邦を排除しようとした、軍師の亜父范増すら疑い敗れたのです。
腹心の鍾離眜や范増すら危険に感じていた項羽では、項伯に問題行動があっても、罰することは難しかったのではないでしょうか。
項伯は、劉邦の部下の張良への大恩を忘れておらず、鴻門之会で亜父范増（はんぞう）の策を妨害しましたが、甥の覇王項羽（こうう）の天下を遠ざけてもいました。
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張良は項伯に大量の贈り物をあげることで漢中を確保し劉邦は漢王となったのです
項伯は、恩人の張良からたくさんの贈り物をもらったため、項羽に劉邦へ漢中をあげさせました。
項羽の軍師亜父范増は、劉邦を畏怖していたので、秦攻略の論功行賞の際に、辺鄙な巴と蜀のみを与える予定だったのです。
もしも蜀と巴しか領地が無かった場合、後の楚漢戦争で劉邦が快進撃を行い項羽に勝利するのは、困難だったとも言われています。
ちなみに、三国志の劉備は、劉邦が漢王に就任し、大勢力の項羽に勝ったことにあやかり、漢中王を号していました。
項伯は、鴻門之会で劉邦に貢献したので、張良から多額の金品で上手く利用され、西楚の覇王項羽の天下を揺るがす漢中提供を、実現させてしまったのです。
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鴻門之会で項羽の従兄弟の項荘と共に項伯は剣を抜き起ちて舞うことで沛公こと劉邦を保護したのです
項伯は、亜父范増の指示で、劉邦に最期をもたらすために剣舞し出した項荘に対抗し、張良への厚恩に貢献しました。
ですが張良は、項伯の剣舞だけでは劉邦の命が危ないと判断し、樊噲も突入させたのです。
そして樊噲は、頭髪上指す迫力だったため、西楚の覇王項羽からも注目され、大酒と生肉を提供されました。
大きな生肉と酒を豪快に味わう樊噲に、項羽は好印象を抱き、樊噲も劉邦の弁明を行ったので、劉邦は死地から生還したのです。
項伯は、鴻門之会を張良への恩義に報いる機会と考えていたため、項荘（こうそう）と共に剣舞し、亜父范増の謀略から劉邦を擁護し、樊噲（はんかい）の活躍もあり劉邦は生き残れました。
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黥面賊英布が項羽から劉邦に鞍替えしたため項伯は妻子に最後を送り制裁したのです
項伯は、英布が項羽から九江王に就任させてもらっていながら、劉邦に付いたので、妻と子に最期を与えました。
英布は、陳勝呉広の乱の後の秦攻略戦で、項羽のために、章邯の大軍を生き埋めにした武将だったのです。
そして章邯は、元々は秦軍として陳勝呉広の乱を制圧していたのですが、趙高の暴政に危険を感じ、項羽に降伏しました。
ですが、章邯が大軍であり兵糧を提供出来ないため、項羽は英布に命じ、秦の大軍に悲惨な最後をあげてしまったのです。
項伯は、かつては章邯（しょうかん）の秦軍を生き埋めにし項羽に貢献した、英布（えいふ）の妻子を粛清することで、西楚の覇王項羽を裏切った者への見せしめとしました。
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項羽が劉邦の父親の劉太公を煮ようとして脅したため項伯は不利益しかないと主張しました
項伯は、項羽が楚漢戦争で行き詰まり、劉邦の父親を威嚇したので、無駄だと述べたのです。
劉太公に最後を送った場合、天下から大きく非難され、天下を父親よりも重要視している劉邦にダメージも与えられない、と項伯は語りました。
そして結局項羽が、劉太公を煮殺さなかったため、楚漢戦争後に劉邦に味方した項伯は、劉太公を救ったことも功績として評価されたのです。
ちなみに、劉太公は以前は、劉邦よりも兄の劉喜の方を称賛していましたが、劉邦は前漢の初代皇帝に即位し、劉喜は匈奴から敵前逃亡してしまいました。
項伯は、西楚の覇王項羽の劉太公を煮殺そうとする計略は、天下を敵とし天下を目指す劉邦（りゅうほう）にも打撃を与えるのは難しい、と力説したのです。
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西楚の覇王項羽は疑り深い性格で親族を信任しましたが項伯の本質を見抜けなかったのです
項伯は楚漢戦争で、敵のはずの劉邦に利益を与えることが多かったため、劉の姓までもらいました。
秦滅亡後は、劉邦よりも項羽の方が圧倒的に優勢だったので、項伯が本気で項羽のメリットだけを考えていた場合、楚漢戦争も項羽が勝てたのではないでしょうか。
ただ項羽は、亜父と呼んでいた范増や、腹心の鍾離眜すら冷遇するようになったため、項伯の生き方の方が正解だったのかもしれません。
また鍾離眜は、楚漢戦争後も生きていたのですが、守ってくれていた国士無双韓信が劉邦を恐れたため、自害に追い詰められました。
項伯は、甥よりも恩人の張良への奉仕を優先し、項羽陣営の内部崩壊を招きましたが、項羽も敵の陳平（ちんぺい）の策に翻弄され、側近の亜父范増や鍾離眜（しょうりばつ）を疎んじる問題も有していたのです。
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まとめ：項伯（こうはく）が沛公を守った理由と項荘が剣を抜き起ちて舞うと張良劉邦の鴻門之会のなぜ
項伯が、なぜ劉邦のために鴻門之会で、剣舞を演じたかを解説してきました。鴻門之会に項伯が参加していなければ、劉邦は項荘から、簡単に斬られていたのではないでしょうか。
そして、前漢の三傑の張良が、項伯との間柄を活用し、主君の劉邦に漢中をもたらしたことも説明してきました。
項伯は、甥の項羽が天下を掌握することよりも、私心を優先する人物に過ぎなかったのでしょうか。
また黥面賊英布が、項伯から、激しい制裁を受けたことも述べてきました。恩義を大事にする項伯なので、裏切った英布には、苛烈だったのでしょう。
項伯は、西楚の覇王項羽の叔父でありながら、張良への恩のために、敵の劉邦に味方し生き残った、不思議な因縁を抱えた武将だったのです。
